『男性のオスらしさ』への恐怖。それはトラウマから。でも本当に好きなのは女性だった

男性が怖い感覚と回復、安心を象徴的に描いたアイキャッチ レズビアン

※この記事は「男性が怖い」と感じている方へ向けて、過去の「望まない性的な接触」に触れる記述があります。
読むのがつらくなったら、ここで閉じても大丈夫です。あなたの心が最優先です。

わたしは:男性が怖い=男性恐怖症だと思ってた

だから私はずっと、「男性が怖い」という感覚の正体を探していました。

長い間、「男性が怖い」と感じていました。

強引さ、威圧感、力の強さ――いわゆる「オスらしさ」に、理由の分からない恐怖が出てしまう。

だから自分のことを「男性恐怖症なんだ」と思っていました。

でも、40代になって気づいたんです。

私の中にあったのは、単なる「男性恐怖症」だけではなく、トラウマと、そしてもう一つ――「本当に惹かれていたのは女性だった」という事実が重なっていたのだと。

男性が怖い原因:小学生の時の出来事(トラウマ)

男性が怖いと体験したのは小学生の低学年のころ。

いつも、近くの公園で遊んでいました。

友達が帰ってしまった夕方も、一人で公園に残ることが多かったです。

ある日、そこに近所のおじさんが声をかけてきました。

知っているおじさんです。

「一緒にベンチに座ろうか」

私たちはベンチに座って、お話をしていました。

その時のことは、今でもあまり覚えていません。
何について話していたのか…思い出せません。

しかし、その次の瞬間は、鮮明に覚えています。

おじさんは、突然キスをしてきました。

舌が口の中に入ってくるキス。
気持ちが悪かった。

でも、おじさんは言いました。

「ジッとしていて」

訳も分からず、私は怖くて動けませんでした。

小さな私には、何が起きているのか分かりませんでした。

ただ、何か「いけないこと」が起きているんだということは、なんとなく感じていました。

それが終わると、おじさんは言いました。

「これは誰にも内緒だよ」

そして帰っていきました。

その時、私は涙も出ませんでした。
何が起きたのか分からないから。

そして、その夜から何かが変わった気がします。

心の傷が、どす黒く大きくなっていく。

そこから、私の中での「何か」になっていきました。男性が怖い。

初めのうち、「変なことが起きた」くらいの感覚でした。

やがて、思春期に入り、大人になり、年を重ねるにつれ…
その心の傷は、どんどんどす黒く、大きくなっていったんです。

そうやって、男性への違和感が育っていきました。

強引な人は特に嫌いになりました。
力の強い人も、怖いと感じるようになりました。

触れられるのが、気持ち悪い。

興奮した時のあの呼吸音――あのおじさんのような呼吸音が、本当に怖かった。

そして筋肉質で硬い体も、嫌だった。
毛深さも、苦手だった。

結局、全部が恐怖でした。
私は、男性が怖かったんです。

理性では「この人は優しい人だ」と分かっているのに、身体が拒否する。
そのギャップが、いちばん苦しかったです。

「いい男性」でも消えない反応があった

それでも、優しい男性ももちろんいました。

性行為の最中に「ヤメテ」と言うと、止めてくれる男性もいました。
思いやりのある男性も、たくさんいました。

ところが…

どこかで、恐怖と気持ち悪さを感じてしまうんです。
それは、相手の優しさとは関係がありませんでした。

なぜなら、私の力で抵抗できない、という恐怖があったから。
男性の肌の毛深さ、という気持ち悪さ。
興奮した時の呼吸音、という恐怖。
体が密着した時の筋肉質な硬い体、という違和感。

だからこそ、全部が一緒に起きるんです。

理性では「この人は優しい人だ」と分かっていても、身体が反応してしまう。
その葛藤は、本当に苦しかったです。
「男性が怖い」という感覚は、私にとって簡単に消えるものではありませんでした。

親からの圧力:「結婚しなさい」が当たり前だった

日本に帰国してから、両親からのすすめが始まりました。

「いい加減、いい年齢なんだから結婚とか考えなさい」

「一人じゃ生きていけないのよ」

「子どももほしいならそろそろ計画立てないと、体力的に子育てが大変になるわよ」

ずっと、ずっと言われ続けました。

さらに、親戚からも同じプレッシャーがありました。

「女性は結婚が当たり前」

「いい男性を見つけなさい」

そういう圧力の中で、私は思い始めました。

「結婚しなければ…」

オーストラリアとの違い:隠すしかなかった

オーストラリアでは「女性が女性を好きでもいい」という世界を見ました。

しかし日本に帰ってくると、そういう話をしたら周囲が引いてしまいました。

当時は、ゲイについての理解もまだされていない時代です。

それより、もっとニッチなレズビアンなんて、理解が得られるはずがありません。

だから、誰にも言わなかったんです。

そして、社会的期待に従うことにしました。

合コン・アプリで感じた「ズレ」:思いやりの形が違う

こうして、親からの圧力に従い、私は合コンやマッチングアプリで、男性の恋人を探し始めました。

何人か会いました。

メールのやり取りでは、素敵なことを言う男性たちでした。

ところが、実際に会ってみると…

結局はエッチが目的だったり、傲慢で女性が望む思いやりや気づきがなかったり。

つまり、女性と男性は、何から何まで違うんだ。
そう感じました。

もちろん、男性だって思いやりがあります。

ただし、女性が嬉しいと感じる思いやりと、男性が女性のために考えてくれる思いやりには…
ズレがあるんです。

細かいズレ。でも、そのズレが積み重なると、大きな溝になる。

そういうことを繰り返し経験しました。

「この人は大丈夫かも」と思えた小さな出来事

その中でも、少しだけいいなと思う男性がいました。

彼は、やると決めたら一人でやる、という人でした。

「友達と体を鍛えて登山しようと決めたのに、友達はさっさと鍛えるの止めちゃったんだよ、まったくさ。でも俺は登山すると決めたから今も鍛えてんの」

そう、言っていました。

2日おきにしっかり体を鍛え、ひとりで登山をしていたほどです。

つまり、自分の気持ちを大切にしている人だ。
そう感じました。

それに、私とのデートでは、話をよく聞いてくれました。

そして、私の実家の犬が亡くなった時期のデートがありました。

彼は、暗めの服を着てきました。

1杯目のお酒の時に、彼は言いました。

「献杯」

その瞬間、私は思いました。

「この人は『大丈夫』かもしれない」

結婚できた理由は「距離感」だった

あの時も、彼は沢山我慢してくれました。

詳しい理由は言わず、私は彼に言いました。

「私、少しアレが苦手なの。だから途中で止めてっていうかも」

彼の返答は…

「ゆっくりでいいよ」

その言葉が、全てでした。

実は、今でも苦手です。

だから、私がマッサージをするのが主なんです。

なぜなら、私の方が触れてほしくないから。

しかし、彼は自分のものではなく、オモチャを使って私を喜ばせようとしてくれます。

温かい心遣いには、本当に感謝しています。

彼は体を鍛えることが好きなので、あまり求められることもありません。

つまり、彼だったからこそ結婚できたんだと思います。

今の生活:「ベタベタではない、いい距離感」

彼は今も、自分の時間を大切にしています。

子どもと一緒に休日は出掛けたりもしますが、ベタベタな関係ではありません。

夫にとっても、私にとっても…
良い距離感で生活ができています。

でも、女性に触れられると心がほどけた

ところが、女性に触られるのは…大好きなんです。

現在のパートナー、千恵に触られるのは、本当に心地よいです。

一方、女性同士での裸の触れ合いは、美しいと思えるんです。

なぜ、こんなに違うんだろう?

そしてやがて、その答えは、シンプルだったことに気づきました。

女性に惹かれる時の感覚:「心が美しい人」

惹かれる時は、どんな感覚か…

まずは、綺麗な人だなと思います。
カッコイイ女性だなとも思います。

ただし、それは「見た目の美醜」ではなく…

「心の美しさ」「心のカッコよさ」なんです。

品がある。凛としている。
そういう人に、私は惹かれる。

特に、和美人な人が好みなんです。

「素敵な人だな~、お話したいな~」

こんな感じで、お近づきになりたい。
そうつまり、その先は相性だと思います。

男性との関係と女性との関係の違い

男性に心が動くことは、実はありません。

そのタレントが可愛いと思ったのは、人間らしい可愛さがあったからで…
性的な目で見たことは、今までありませんでした。

現実の男性にも、です。

女性に関しても、基本的に性的になにか感じることはありません。

素敵な人だと思ってからが、始まりですから。

つまり、男女関係なく、恋の始まりは…
相手に何かしらの好意があってからなんです。

しかし、その後の「繋がり」が、全然違うんです。

男性との関係は、恐怖と気持ち悪さが伴う。
女性との関係は、安心感と心地よさが伴う。

だからこそ、それが全ての違いなんです。
私にとって「男性が怖い」という感覚と、「女性が好き」という感覚は、同じではありませんでした。

レズビアンという「選択」ではなく「結果」

今だって、レズビアンを「選択」した訳ではありません。

好きになった人が、たまたま女性だったという…
「結果」に過ぎないから。

つまり、その気持ちの「結果」を、どうこの日本社会の中に自分らしく落とし込めるか。
それが、私の課題なんです。

堂々とカミングアウトする人もいるし、私みたいに隠し通そうとする人もいます。

社会の目なんか気にしなくていいよ!と思う人もいるかもしれません。

ただし、やっぱり気になるし、自分だけでなく親や周りの人へも影響が出てしまう。

本当の気持ちは、相手と私の中だけに確実にある。

だからこそ、それが確かめられれば…それでいいのかと思います。

女性の場合、キスとかしなければ、外で多少イチャイチャしていてもゲイの方と違って、あまり怪しく見られないのは…
幸いかなとは思いますね。

結論:男性が怖いことと、女性が好きなことは同じじゃない

男性が怖いことと、女性が好きなことは、同じではありません。

恐怖は、トラウマから生まれることがある。
しかし「好き」は、心から生まれるんです。

もし今あなたが「男性が怖い」と感じているなら。

それは恐怖症かもしれないし、過去の傷が関係しているかもしれない。

そして同時に、「本当に惹かれる相手」が女性である可能性もあります。

どれも、あなたが悪いから起きることではありません。

なぜなら、あなたの感覚は、あなたのものだから。

複雑でもいい。

隠さなければならなくてもいい。

あなたの「本当の気持ち」を、信じてください。

相手と自分の中だけに確実にある、その気持ちを。

その先に、本当の幸せが待っているんです。


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